遺品整理を業者に依頼する
遺品整理を業者へ依頼する場合は、依頼する側も事前に依頼手順や作業の流れを把握しておくと、戸惑うことなくスムーズに遺品整理を終えることができます。
遺品整理は人生で何度も経験することではありませんので、はじめてという方はより不安が大きく、わからないことも多いのではないでしょうか。
遺品整理業者とのトラブルを未然に防ぐためにも、業者への問い合わせから作業完了までの流れを把握しておき、確認したいポイントを知っておきましょう。
遺品整理業者の依頼と作業完了までの流れ
① 遺品整理業者への問い合わせ
各社のホームページやカタログ資料、遺品整理業者の評判などを参考に優良な業者選びを行い、相談したいことや質問などを電話やメールで問い合わせましょう。
問い合わせは契約の締結ではありませんので、疑問や確認したいことなど気兼ねなく聞いてください。
業者によってはこの段階で簡易見積りを算出してくれるところもあります。
対応やサービス内容が求める条件に合うようであれば、現地調査の日程を決めましょう。
ここでは、問い合わせ先の業者が現地調査や出張・訪問見積もりを無料で行っていること、また契約に至らなくても費用が発生しないことをしっかり確認することが重要なポイントです。
② 現地調査と見積もり
指定の日時に遺品整理業者が現地を訪問し、お部屋の状況や家財の数、処分品の分量、特殊清掃の必要有無などを確認してもらいます。
依頼する側は、作業してもらう具体的な範囲や予算、残す遺品と残さない物、悩んでいることなどをしっかり伝えるようにしましょう。
遺品整理業者から、依頼者の要望と実際の状況を確認した上で、作業人数や車両台数、搬出経路などを基に算出した見積もりが提示されます。
遺品買取を行っている業者であれば、買取の査定額も算出してもらいましょう。
見積もりにやってきた担当者が、依頼者の質問に対して曖昧な返答をしたり、不安や疑問を解消してくれない場合は信頼性にも欠けますので、契約しない方が良いといえます。
また、故人や遺族にとって非常にプライベートな居住空間を業者に託すことになりますので、不快な思いをしないためにも、対応だけではなく受け応えをする態度やマナー、身だしなみもチェックしましょう。
身だしなみの善し悪しが判断できない業者は、大切なご遺品の扱い方の善し悪しを判断できるとは到底思えませんよね。
業者ごとに細かく作業内容は異なりますし、複数のプランを用意しているところもありますので、見積もりは3社ほど取って料金と内容を比較検討することをオススメします。
③ 契約
正式な見積もりを書面で受け取り、複数社の条件や料金を比較した上で、最も要望に合った業者を決めて契約を結びます。
契約の締結後、何かしらの理由から遺品整理を取りやめるとなった場合、違約金やキャンセル料が発生することもあるのであらかじめしっかり確認しておきましょう。
そういった事柄も含め、オプションサービスや割引特典が見積もりや説明と食い違いがないことなど、契約内容を隅々まで慎重に確認した上で契約書へ押印するようにしましょう。
契約内容の確認事項が原因となるトラブルがいちばん多いので特に注意が必要です。
④ 作業当日
指定の日時に遺品整理業者の作業員が訪問し、契約時の内容に沿って作業を行います。
事前に故人宅の鍵を預け、依頼者や遺族の立ち合いなしで遺品整理業者に任ることも可能な業者もありますので、遠方に住んでるなどの事情がある場合は契約前に相談しておきましょう。
作業に立ち会う場合も、作業員が行う遺品の分別や梱包、搬出などの作業が適切で丁寧に行われているかしっかり確認するようにしましょう。
賃貸や集合住宅の場合、部屋や共有スペースを傷つけると管理人や管理会社から原状回復費用を請求されてしまうこともありますので依頼者も注意しなければなりません。
事前に養生のことや、近隣住民に迷惑を掛けないように配慮してもらうことなど、トラブルに発展しないよう綿密に打ち合わせしておく必要があります。
作業の最中であっても、気になることはどんな些細なことでも入念に確認しておくことで、不要なトラブルを防ぐことができます。
⑤ 料金の支払い
遺品の整理が終わり、搬出や不用品の処分、清掃まですべての作業が完了した後は、依頼者が作業内容を最終確認した上で所定費用の支払いを行います。
依頼者は、作業に漏れはないか、搬出忘れはないか、破損された物や場所がないかなど自分の目でしっかり事後確認を行うようにしましょう。
料金は支払い方法によって異なる場合もありますが、後払い精算を行っている業者がほとんどです。
振込みや現金払い、クレジットカード決済にも対応している業者がありますので、都合の良い方法を選んで支払時に滞ることがないよう準備しておきましょう。
請求額が見積もりと相違ないことを確認し、すべてに納得した上で精算を行い、料金を支払った後は必ず領収書をもらうようにしましょう。
もし、見積もりと異なる作業内容や金額があれば必ず業者に確認し、相違の理由を明確にしましょう。
業者との話し合いで解決できない問題に発展した場合は、消費者センターなどに相談することをオススメします。
トラブル防止のために遺品整理の流れを把握しておきましょう
増加するニーズに伴いご遺族に代わって遺品整理を行う遺品整理業者が増えている一方で、遺族と業者間のトラブルも多発しています。
争議のほとんどが、双方による認識の相違や食い違いが原因で起きており、作業後や精算後に言った言わないで揉めるケースが多くあります。
遺品整理は、亡くなった方のお部屋や所有品を片付ける作業を通して、故人を偲び見送るための大切な行事です。
故人のためにも、わだかまりなくスムーズに業者との取り引きを終えるためにも、依頼者は遺品整理の流れや確認するべきポイントをあらかじめ把握しておくことは重要と言えます。
自分たちで行う遺品整理よりも、遺品整理の専門業者に依頼する方がはるかに効率よく作業を進めることができますし、遺族の負担も大幅に減少します。
トラブルや悪質被害にあわないためには、利用する私たちも遺品整理の適正価格や作業の流れを知っておき、遺品整理業者の上手な選び方を参考に信頼できると思える良質な業者と契約を交わすようにしましょう。